ここには、巨大なコンクリートの建物が立っていました。その前は、運河の終点でした。 水に入ってみてください。浅いです。静かに立っていると、コンクリートの床が足の裏に当たります。これは新しく作った底ではなく、前にあった商業ビルの地下駐車場の底です。…
ここには、巨大なコンクリートの建物が立っていました。その前は、運河の終点でした。
水に入ってみてください。浅いです。静かに立っていると、コンクリートの床が足の裏に当たります。これは新しく作った底ではなく、前にあった商業ビルの地下駐車場の底です。
一九八〇年代、この場所に中国城という大きな商業施設ができました。運河の水面を埋め、その上に建てられています。水辺を潰して、育とうとした。
しかし、人は離れます。建物は長いあいだ、使われないまま残りました。
二〇二〇年、取り壊されたあとにできたのが、この広場です。オランダの建築事務所が設計を手がけています。
面白いのは、地下に埋めなかったことです。駐車場の柱を残し、掘り下げた形のまま水を引いた。壊したものの跡を、見えるところに残しています。
埋めた水を、五十年後に掘り返している。この街のやってきたことは、もともとそういうことの繰り返しです。
夕方になると、子供が入ってきます。靴を脱ぐなら、今のうちです。