この湯は、濁っています。汚れているのではなく、泥です。 手を入れて、指をこすり合わせてみてください。すべすべした感触があります。地層の泥岩が温泉に混ざって出てくる、めずらしい泉質です。 この温泉が開発されたのは、日本の時代です。院という字のつく旅館が並び、軍人の保養所も置かれました。浴衣で外を歩く風景は、この山に持ち込…
この湯は、濁っています。汚れているのではなく、泥です。
手を入れて、指をこすり合わせてみてください。すべすべした感触があります。地層の泥岩が温泉に混ざって出てくる、めずらしい泉質です。
この温泉が開発されたのは、日本の時代です。院という字のつく旅館が並び、軍人の保養所も置かれました。浴衣で外を歩く風景は、この山に持ち込まれたものです。
山を降りると、台南の別の顔があります。
白河には蓮畑が広がります。夏が季節で、花は朝のうちに閉じてしまうので、見るなら早い時間です。根はレンコン、実は菓子になり、葉は包みに使われます。
玉井は、芒果の産地です。日本の時代に苗が持ち込まれ、戦後に品種が選ばれて、この丘陵の土に定着しました。旬は夏です。
東山では、咖啡がとれます。これも日本の時代に始まり、一度すたれて、二十年ほど前に地元が植え直したものです。
平野では米と砂糖。山あいでは蓮と果物と豆。台南という市は、市街の部分だけではありません。
湯から上がったら、手のにおいを嗅いでみてください。少し土のにおいがします。