島の三つの宮のうち、いちばん海に近いのが辺津宮(へつみや)です。「辺」は、ほとり、海辺という意味です。 江島神社は、三人の姉妹の女神を祀っています。島の奥の奥津宮に長女の多紀理比売命(たぎりひめのみこと)、中ほどの中津宮に次女の市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)、そしてこの辺津宮に、末の妹の田寸津比売命(たぎつひめ…
島の三つの宮のうち、いちばん海に近いのが辺津宮(へつみや)です。「辺」は、ほとり、海辺という意味です。
江島神社は、三人の姉妹の女神を祀っています。島の奥の奥津宮に長女の多紀理比売命(たぎりひめのみこと)、中ほどの中津宮に次女の市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)、そしてこの辺津宮に、末の妹の田寸津比売命(たぎつひめのみこと)。海を行き来する人を守る女神たちです。
明治のはじめまで、この島では神と仏を分けずに祀っていました。女神たちは、仏教の弁財天と重ね合わされてきたのです。
その弁財天が、隣の八角形のお堂、奉安殿(ほうあんでん)に納められています。一体は、八本の腕に弓や剣を持つ八臂(はっぴ)弁財天。鎌倉に幕府を開いた源頼朝が、戦に勝つことを祈って納めさせたと伝えられています。鎌倉から海沿いの道をたどって、武士たちがこの島まで祈りに来ていたのです。
もう一体は、琵琶を抱えた妙音(みょうおん)弁財天。同じ神なのに、戦いの神と、音楽の神。祈る人が変われば、祈られる姿も変わっていきました。江の島の弁財天は、琵琶湖の竹生島、安芸の宮島と並んで、日本三大弁財天に数えられています。
境内には、銭洗白龍王(ぜにあらいはくりゅうおう)という小さな池もあります。お金を洗うと増える、といわれる池です。ここにも、白い龍がいます。
武士が戦勝を願った同じ島で、いまは多くの人が、硬貨を水にくぐらせています。祈りの中身を変えながら、参詣の道は中津宮へ続いていきます。