西の海岸線をたどっていくと、茅ヶ崎の沖に、ぽつんと黒い岩が立っています。烏帽子岩(えぼしいわ)。姥島(うばじま)と呼ばれる岩の群れの中で、ひときわ高く突き出した岩です。形が昔の人のかぶった烏帽子に似ていることから、この名で呼ばれてきました。…
西の海岸線をたどっていくと、茅ヶ崎の沖に、ぽつんと黒い岩が立っています。烏帽子岩(えぼしいわ)。姥島(うばじま)と呼ばれる岩の群れの中で、ひときわ高く突き出した岩です。形が昔の人のかぶった烏帽子に似ていることから、この名で呼ばれてきました。
ここから八キロほど。沖に離れて立ちながら、湘南の海岸のどこからでも目に入る岩です。
帆で走る船の時代、この岩は海の上の目印でした。相模湾を行き来する漁師や船乗りは、岩の見え方で自分の位置を確かめたといわれます。
烏帽子岩の先端は、もとはもっと尖っていたといわれます。戦後、この岩は射撃訓練の標的として使われ、そのときに先が欠けたと伝えられています。いまの形は、波と風、そして人の手が加わってできた形なのです。
岩のまわりは魚の多い海で、いまも釣り船が岩のそばまで出ていきます。何百年も前の漁師と同じように、この岩を目印にしながら。
海岸線は烏帽子岩の先へ、さらに西の平塚、大磯へと続いています。