この池は、台地の農民が雨をためるために築いた、大きなため池でした。 龍潭(ロンタン)という町の名は、この池から来ています。池に龍が棲むという言い伝えがあり、それが地名になったといわれます。 ため池は、田より少し高いところに水を置くように造られます。水門を開ければ、水は自分の重さで田へ流れていく。ポンプのない時代、この高…
この池は、台地の農民が雨をためるために築いた、大きなため池でした。
龍潭(ロンタン)という町の名は、この池から来ています。池に龍が棲むという言い伝えがあり、それが地名になったといわれます。
ため池は、田より少し高いところに水を置くように造られます。水門を開ければ、水は自分の重さで田へ流れていく。ポンプのない時代、この高さの差が、そのまま灌漑の仕組みでした。
池の水を分け合うには、取り決めが必要でした。どの田に、いつ、どれだけ流すか。池ごとに水の番をする人がいて、順番を守らせました。日照りの年には、水をめぐって争いも起きたといいます。
この一帯は、客家の人々が多く暮らす土地でもあります。丘の多い台地で水をため、稲を育てる。その暮らしが、何世代も続いてきました。
いま池のほとりでは、朝に散歩をする人、釣り糸を垂らす人の姿があります。夕方には、風のない日に限って、水面に対岸の木々がくっきりと映ります。
雨を待つ台地で、人々がまず築いたのは、水の置き場所でした。
Photo: lienyuan lee /
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