ジャヤナギの不思議

ジャヤナギの不思議

ハンノキの森を抜けると、湿原の各所に、まっすぐ天に伸びるハンノキとはまるで形の違う、複雑に枝を伸ばす大木が目につき始めます。ジャヤナギとよばれる野生のナギです。 この柳は、ハンノキよりもさらに泥の深い湿地に根を下ろし、世代をつないでゆきます。種子を飛ばして増えるのではありません。日本に分布する本種は、メス株だけといわれ…

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ハンノキの森を抜けると、湿原の各所に、まっすぐ天に伸びるハンノキとはまるで形の違う、複雑に枝を伸ばす大木が目につき始めます。ジャヤナギとよばれる野生のナギです。 この柳は、ハンノキよりもさらに泥の深い湿地に根を下ろし、世代をつないでゆきます。種子を飛ばして増えるのではありません。日本に分布する本種は、メス株だけといわれていて、種子をつくることができません。では、どのように繁殖するのか。 強風にあおられるジャヤナギの枝は、簡単におれて、竹トンボのように飛んでゆきます。飛んで、着地した場所でうまく枝が地面に刺されば、そこから根を張って巨木にそだつことができるのです。枝だけではありません、大きな木の本体が強風で転倒すると、地面に倒れたその幹から、子株がそだち、次世代を育ててゆくのです。倒木更新と呼ばれる不思議な繁殖方法です。小網代の湿原では各所で倒木から、若木が育つ現場を目撃することができるでしょう。 主役: ジャヤナギ(ハンノキより泥の深い湿地に育つ大型のヤナギ) 見どころ: ハンノキの森を抜けた湿原に立つ、複雑に枝を伸ばす大木 繁殖: 日本ではメス株のみで種子をつくらない/折れた枝の飛散と「倒木更新」 観察: 倒木から若木が育つ現場を各所で見られる 所在地: 神奈川県三浦市三崎町小網代 地図: 小網代の森マップ 公式サイト/Official Site: 小網代の森(神奈川県) 原稿監修 : 岸由二 (慶應義塾大学 名誉教授) 写真 : 柳瀬博一 (東京科学大学 教授) プロデューサー : 太刀川英輔 (NOSIGNER代表・慶應義塾大学特任教授) 発行 : NOSIGNER・NPO法人 小網代野外活動調整会議

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