小網代の森を歩いていると、足元の水辺や草むらの中に、たくさんのいのちが息づいているのを感じます。けれど、この豊かな風景は、ただ放っておいて守られているわけではありません。 想像してみてください。何百年、何千年というあいだ、この流域で静かに暮らしてきた在来の生きものたち。ハサミシャコエビや、湿地の小さな魚、足元を行き交う…
小網代の森を歩いていると、足元の水辺や草むらの中に、たくさんのいのちが息づいているのを感じます。けれど、この豊かな風景は、ただ放っておいて守られているわけではありません。
想像してみてください。何百年、何千年というあいだ、この流域で静かに暮らしてきた在来の生きものたち。
ハサミシャコエビや、湿地の小さな魚、足元を行き交うカニたち。彼らは、この土地の水の流れと一緒に生きてきました。けれど、人の手によって、本来ここにいなかった生きものが運び込まれてしまうことがあります。
たとえば
アメリカザリガニ。北米からやってきたこの生きものは、水草を切り、湿地の底をかき乱し、在来の小さな生きものたちの居場所を奪っていきます。あるいは
ウシガエルや、繁殖力の強い外来の植物たち。彼ら自身に悪気はありません。ただ、間違った場所に置かれてしまっただけなのです。
ここで活動する人々は、長い時間をかけて、こうした外来種を一つひとつ取り除いてきました。手作業で捕まえ、数を記録し、在来の生きものが戻ってこられる水辺を、根気強く整えていく。それは、派手な作業ではありません。けれど、その地道な積み重ねこそが、約
2,000種ものいのちが暮らすこの森を支えているのです。
考えてみてください。一匹のザリガニを取り除くたびに、そこに小さな魚が戻り、その魚を狙う鳥がやってくる。いのちは、こうして静かに連鎖を取り戻していきます。あなたが今、息をしているこの瞬間にも、誰かの手で守られた水辺で、在来の生きものたちが、ほんの少しずつ、その居場所を取り戻しています。
本来の自然を取り戻すということ。それは、過去を懐かしむことではなく、これから先の長い時間へ、いのちのつながりを手渡していく営みなのです。
テーマ: 小網代の森における外来種防除と在来種保全
代表的な外来種: アメリカザリガニ、ウシガエル、外来植物
守られている在来種の例: ハサミシャコエビ、湿地性の魚類、カニ類
記録される生物種数: 約2,000種以上
保全活動: 手作業による外来種の捕獲・記録、在来種の生息環境の再生
所在地: 神奈川県三浦市
地図
公式サイト/Official Site:
小網代の森