ようこそ、小網代の森へ。ここは、神奈川県三浦市にひろがる、およそ70ヘクタールの緑の世界です。 まず、ひとつ想像してみてください。小さな水のしずくが、森の奥でそっと生まれる瞬間を。そのしずくは、やがて細い流れになり、谷をくだり、湿った草地をぬらし、海と出会う手前の干潟へとたどりつきます。源流から海まで、ひとすじの水が旅…
ようこそ、
小網代の森へ。ここは、神奈川県三浦市にひろがる、およそ
70ヘクタールの緑の世界です。
まず、ひとつ想像してみてください。小さな水のしずくが、森の奥でそっと生まれる瞬間を。そのしずくは、やがて細い流れになり、谷をくだり、湿った草地をぬらし、海と出会う手前の干潟へとたどりつきます。源流から海まで、ひとすじの水が旅をする——この一連のつながりを、人は「
流域」と呼びます。
ふしぎなことに、こうした水の旅が、人の手で分断されることなく、まるごと自然のまま残されている場所は、関東のまわりではほとんどありません。
だからこの森は、「
奇跡の森」とも呼ばれてきました。記録されているいのちは、
2,000種以上。木々や花だけではありません。湿地にひそむ小さな虫、夜にまたたくホタル、そして干潟をせわしなく歩くカニたち。そのすべてが、たった一本の水の流れでつながり、たがいに支えあって生きています。
考えてみると、あなたの体の中にも、絶えず流れているものがありますね。血が、めぐり、いのちを運んでいる。この森を流れる水も、おなじように、たくさんのいのちを運ぶ血管のような存在なのです。
これから私たちは、その水の旅にそって、静かな源流から、湿地、そして海辺の干潟まで、ゆっくりと歩いていきます。急ぐ必要はありません。一滴の水が海へたどりつくのに長い時間をかけるように、この物語も、ゆっくりとほどけていきます。
あなたが今、息をひとつ吸って、ゆっくり吐く。そのあいだにも、森のどこかで水は流れ、無数のいのちが、静かに今日を生きています。さあ、その流れの源へ、一緒に向かいましょう。
名称: 小網代の森(こあじろのもり)
所在地: 神奈川県三浦市
面積: 約70ヘクタール
特徴: 源流から干潟・海までの「流域」生態系が自然のまま保全されている
記録される生物: 2,000種以上
中心を流れる川: 浦の川
散策設備: 整備された木道(標高差を活かした散策が可能)
アクセス・地図:
小網代の森マップ
公式サイト/Official Site:
小網代の森(神奈川県)